今後、どの通貨ペアがどういった価格になるのかは、まったく想像ができません。
ただ、設定レンジ内のどの価格になっていてもおかしくはなく、設定レンジを突き抜ける可能性もあることは想像できます。
実際、トラリピでの資産運用を開始して半年も経たないうちにコロナショックに見舞われ、AUD/JPYとAUD/USDが設定レンジを下抜けしました(ZAR/JPYとMXN/JPYも設定レンジを下抜けしましたが、新興国の通貨ペアはレンジ相場になっていないと思われるので、ここでは除外します)。

さて、もしEUR/JPYが150円になったら、どのようなことが起こるのでしょうか。

現在のEUR/JPYの注文は、売り:120.2~150円 150本(トラップ値幅0.2円)で、トラリピ運用試算表による必要資金は3,135,000円です。
EUR/JPYが150円になったら、2008年7月の170円を意識する必要が出てきます(現時点では150円を超えることはないだろうという想像のもと、150円を設定レンジの上限としていますが)。

設定レンジを広げ、売り:120.2~170円 250本(トラップ値幅0.2円)の注文に変更した場合、必要資金は7,925,000円。
約500万円の追加資金が必要になります。

設定レンジを広げずに170円まで耐えるとしてシミュレーションしてみると、必要資金は6,254,811円。
約300万円の追加資金が必要になります。

そのとき、メインの運用8通貨ペアは、それぞれどんな価格になっているのか……。
EUR/JPYだけがピンチに陥っているとは考えにくいので、想像するとゾッとします。

基本的には損切りをせず、どこまでも耐える戦略をとっていますので、耐える期間は短ければ短いほど助かります。

EUR/JPYの運用を2000年から始めていた場合、2002年9月~2008年8月の6年が耐える期間(設定レンジの中央から価格が離れ続け、含み損が増え続ける期間)となります。
ハーフ&ハーフではなく、売りだけで運用していた場合、耐える期間は2000年10月~2008年8月の8年となり、耐える期間が2年延びます。
201122-1
ハーフ&ハーフのメリットとして、発注証拠金が半分で済む、運用資金を約3分の1に抑えられるの2点がよく挙げられますが……。
耐える期間を短くできるというのも大きなメリットの1つです。
マイナススワップという痛みはあるものの、やはりハーフ&ハーフで得られるメリットは大きいと言わざるを得ません。

現在、証拠金維持率2,866%(実質レバレッジ0.88倍)で、資金じゃぶじゃぶの状態が続いています。
しかし、いずれは設定レンジを広げなければならない通貨ペアがあらわれる可能性があること、損切りをして撤退しなければならない通貨ペアがあらわれる可能性があることを考えると、やはり余裕があるとは考えないほうが良さそうです。