ロスカットされない見通しが立つのであれば何もせずにどこまでも耐えるのが相場観を持たずにトラリピで資産を運用するときの基本です。
しかし、ロスカットレートをリスクシミュレーションで改めて確認したところ、いよいよロスカットの影が見えてきました。

クロス円の通貨ペアの基軸となるのはUSD/JPYなので、USD/JPYが直近の最安値をつけた2021年1月を試算の起点としました(価格はマネースクエア提供のヒストリカルデータを使用しました)。

2021年1月の安値→2024年4月26日の終値(この期間に上がった金額)
  • USD/JPY 103円→158円(55円)
  • EUR/JPY 125円→169円(44円)
  • AUD/JPY 79円→103円(24円)
  • NZD/JPY 74円→94円(20円)
  • CAD/JPY 81円→116円(35円)
証拠金維持率:330%

現在の価格に、この期間に上がった金額の50%を加えると
  • USD/JPY 186円
  • EUR/JPY 191円
  • AUD/JPY 115円
  • NZD/JPY 104円
  • CAD/JPY 134円
証拠金維持率:99%

現在の価格に、この期間に上がった金額の25%を加えると
  • USD/JPY 172円
  • EUR/JPY 180円
  • AUD/JPY 109円
  • NZD/JPY 99円
  • CAD/JPY 125円
証拠金維持率:208%

現在の価格に、この期間に上がった金額の15%を加えると
  • USD/JPY 166円
  • EUR/JPY 176円
  • AUD/JPY 107円
  • NZD/JPY 97円
  • CAD/JPY 121円
証拠金維持率:255%

前回のロスカットレート確認時(たった2か月前)より、かなり状況が悪化しています。

【トラリピ】ロスカットレートの確認(2024年2月25日版)

トラリピで資産運用をしていることを知っている友人に頭を下げたり、当面使う予定のない手元の資金を回したりすれば、1,000万円程度の追加入金をすることは可能ですが、もう追加入金はしません。
なぜなら、どこまでも上げるわけではないけれど、どこまで上がるのか分からないのが為替相場なので、追加入金してもロスカットされる可能性をゼロにはできないからです。

ロスカットを防ぐ対策として、まずはクロス円の通貨ペアの注文をすべて取り消しました(リスクシミュレーションも、クロス円の通貨ペアの注文をすべて取り消したうえで行っています)。
クロス円の通貨ペアの値が上がった場合、これからはスワップを支払うだけの運用になります。
ロスカットが見えてきた以上、500円、1,000円といったリピート益を狙って値を追いかけるべきではないと考えました。

次に、5月1日に証拠金維持率がまだ350%を下回っているようであれば、EUR/JPYの損切りを開始します。
5月1日の27:00にアメリカの政策金利発表があるので、証拠金維持率が350%を上回っていてもEUR/JPYの損切りを開始する可能性があります。
明日の取引開始時に大きな窓開けがあったら、5月1日を待たず、4月29日にEUR/JPYの損切りを開始するかも知れません。
高い値段のポジションから10本損切りしたときの売買損は101,080円、20本損切りしたときの売買損は222,160円。
当初、証拠金維持率が350%を下回っている限り毎月10本ずつ損切りしていく予定でしたが、証拠金維持率が急激に低下しているので、今回は20本損切りすることにしました。翌月も20本の損切りをする可能性が高いです。

【トラリピ】証拠金維持率が350%を切ったらEUR/JPYの損切りを開始

そして、証拠金維持率が250%まで低下したら、EUR/JPYを両建てし、AUD/JPY、NZD/JPY、CAD/JPYの損切りを開始します。
証拠金維持率が250%を切る前にEUR/JPYのポジションサイズを可能な限り小さくしておきたいところですが、急激に証拠金維持率が低下していることを考えるとそれほど小さくできない可能性があります。
2021年1月の安値を起点として、これからたった15%程度値が上がっただけで、証拠金維持率は250%を切ります。
証拠金維持率が250%を切る日は、そう遠くはないのかも知れません。

最後に、証拠金維持率が200%まで低下したら、AUD/JPY、NZD/JPY、CAD/JPYを両建てします。
両建てをすると、解除時にかなりの損失が確定するので、EUR/JPYの両建てはまだしも、AUD/JPY、NZD/JPY、CAD/JPYの両建てまでしたら、もう助からないのと等しい状況といえるかも知れません。
両建てをするまでに、どれだけポジションサイズを小さくできるかがカギになりそうです。

現在、円高に転じるのを待っている状況ですが、アメリカの利下げ観測は年内3回から、年内1回まで遠のきました。
年内の利下げはないのではないかという声も大きくなっています。
高金利政策を続けると銀行や企業がもたないので、できれば早く利下げをしたい。
しかし、物価の上昇が治まらない限り利下げはできない。
結局利下げはできず、利下げの前にリセッション入りするのではないかという声も聞かれるようになりました。

もうリセッションは避けられそうにない状況ですが、いつリセッション入りするのかは分かりません。
今年なのか、来年なのか、再来年なのか……。

損切りで毎月大きく資産が削られ、スワップ支払いで毎日資産が少しずつ削られる運用がしばらく続きます。
リセッション入りするのが先か、ロスカットされるのが先かという、とても厳しい戦いになりそうです。

トラリピはFX初心者に勧めるべきものではないことが明らかになったので、このブログからマネースクエアのアフェリエイト広告をすべて削除しました。