トラリピで資産を運用して4年が経ち、5年目に突入しました。
自ら運用を辞めることも、ロスカットされることもなく、トラリピでの資産運用を続けています。

運用状況については、運用実績をご覧ください。

トラリピ > 運用実績(月次)
https://utasen.com/archives/toraripi_m.html

なぜトラリピで資産を運用しようと思ったの?

これまで私は資産運用に対して消極的でした。
それは、株と為替で怖い思いをした経験があるからです。

以前勤めていた会社の株で怖い思いをした話

個人年金保険(米ドル建・10年満期)で怖い思いをした話

トラリピでの資産運用を始めたとき(定年退職まであと5年のとき)の資産は2,600万円程度。
そのまま順調に貯蓄が進んだ場合、定年退職時の資産は3,400万円程度ではないかという状況でした。
ただ、大病などで大きな支出が予想される年齢にも差し掛かっているので、定年退職時の資産は3,000万円程度なのではないかと見積もっていました。

定年退職後も働こうとは思っていますが、これまでのようなハードな働きかたをするのは難しいので、収入は確実に減ります。
収入に見合った支出になるよう生活を見直すか、資産を取り崩して不足分を補うかする必要があります。

当たり前のことですが、蓄えたお金は使えば減ります。
自分の寿命をあらかじめ知ることはできないので、どのようなペースで資産を取り崩せばいいのかは、とても悩ましいものになります。

そんなときに出会ったのがトラリピでした。
ロスカットされないと思われる預託証拠金で運用すれば、実現益を得続けることが期待できる。
よくある怪しい投資話のように思えますが、実際はどうなのでしょう。

トラリピって何?

トラリピは、日々の為替の動きを利益に変える投資手法の1つです。

為替の動きを利益に変える方法として、よく知られているのは裁量トレードです。
上がると思う通貨を買い、予想した価格まで上がったら売る。
予想が当たれば短期間で大きな利益を得ることができます。
しかし、相場観のない私が裁量トレードをしたら、上がると思ったものは下がり、下がると思ったものは上がり、損失ばかりが膨らむことになるでしょう。

100円で買った通貨が、明日100.5円になるのか99.5円になるのかは分かりません。
分かるのは、いつかは100.5円になる日がくるであろうこと。
通貨の価格は、ある一定の範囲で動くことが期待されるので、おそらく100.5円になる日がきます。
100円で1,000通貨買い、100.5円で売ると500円の利益を得ることができます。
いつ利益が得られるのか分からず、利益を得られたとしてもたった500円。
リスクをとってまでこの手法で資産を運用するのは効率が悪いように思えます。

この500円の利益が得られるタイミングで売るルールを、1円ごとに設定したらどういったことが起こるでしょう。
価格が下がったとき、100円、99円、98円でそれぞれ1,000通貨ずつ買います。
そして、価格が上がったとき、98.5円、99.5円、100.5円でそれぞれ1,000通貨ずつ売ります。
すると、1,500円の利益が得られます。
そしてまた、価格が下がったとき、100円、99円、98円でそれぞれ1,000通貨ずつ買います。
為替は常に変動していますので、この売買の繰り返しにより、利益を得続けることが期待できます。



このような売買を自動的にしてくれるサービスがマネースクエアのトラリピです。



トラリピは、AIが相場を予想し、自動的な売買で利益を上げるようなサービスではありません。
売買のルールは自分で決める必要があります。
トラリピによる資産運用で実績のある何人もの方がブログで情報を公開してくれていますので、それを参考にして自分なりの売買ルールを作ることができます。
また、マネースクエアが提案する売買ルールを参考にすることもできます。

トラリピ戦略リスト
https://www.m2j.co.jp/fx-toraripi/toraripi-team#strategy

なぜ為替で資産運用することにしたの?

ある通貨の価格(ある通貨をいくらの日本円で買えるのか)は、市場が開いている間、常に変動しています。
政治、経済、ニュース、災害、紛争といった様々な要因で相場は動きます。
ある通貨が明日いくらになるのか、ある通貨が1年後いくらになるのかを予測することは極めて困難です。

ただ、過去の値動きを元に、価格が変動する範囲をある程度予測することはできます。
それは、主要国同士の通貨ペアの場合、一方の通貨が度を越して弱くなり過ぎるということが考えにくいからです。
ある主要国の通貨が極端に弱くなる状態というのは、その1国だけの危機ではなく、全世界の危機であるといえます。
ある主要国の通貨が度を越して弱くなった場合、全世界の危機を回避すべく、なんらかの調整の力が働くはずです。
通貨同士で常に綱引きをしているけれど、どちらかが一方的に負けてしまうことは考えにくい、というのが主要国同士の通貨ペアだと考えられます。
ある一定の範囲内で価格が変動する(レンジ相場になっている)ことが期待できます。

投資先としては為替のほかに、個別株、株価指数、金、暗号資産などが考えられます。
倒産のリスクがある個別株は別として、株価指数、金、暗号資産などは上がり続けることが期待されています。
しかし、長期的には上がり続けるとしても、現金が必要なタイミングでいくらになっているかは分かりません。
元本を下回っているタイミングで現金が必要になる可能性もあります。
20年、30年といった長い期間にわたって毎月積み立てを行い、長期的な上昇を狙う投資手法を50代の私がとるのは厳しいものがあります。

価格が変動する範囲はある程度決まっているという安心感があり、大きな利益は狙わず、コツコツ小さな利益を得続けることを狙うという仕組みがとても気に入ったので、私はトラリピというサービスを用い、為替で資産を運用することにしました。

為替に集中投資をして問題はないの?

どんな投資にもリスクはあるので、為替に集中投資するのは危険です。
もし私が30代だったら為替60%、株価指数30%、暗号資産10%くらいの割合で分散投資していたと思います。

それなのに為替に集中投資しているのは、株価指数や暗号資産による投資は長期的な上昇を狙うものだからです。
まもなく定年退職する私が長期的な上昇を狙う投資をするのは厳しいものがあります。

投資先の検討をした結果、残ったのは為替だけでした。
みんながしているから、分散投資をしないと危ないからといった理由で他の投資手法にも手を出すことはできないので、危険を承知のうえでやむを得ず為替に集中投資しています。

マネースクエアが倒産したらどうなるの?

マネースクエアは一般の企業の1つなので、倒産するリスクがあります。

【トラリピ】マネースクエアは10年後も存続する?
https://utasen.com/archives/9253568.html

トラリピというサービスがなくなる可能性も、サービスの内容が改悪される可能性もあります。
いずれの場合でも、顧客預かり資産は信託されているので有効証拠金は保証されます。
問題なのは、そのときの含み損の額です。

トラリピは常に含み損を抱える投資手法で、含み損の額は大きくなったり、小さくなったりします。
含み損が大きい状態のときに全決済されると大きな損失が確定します。

マネースクエアは優良な企業であるとは思いますが、おかしな方向に進んでいないか、常に見守り続ける必要があります。
おかしな方向に進んでいると思ったら、他のFX会社に乗り換えて手動で取引を行うという選択肢もあります。

レバレッジが10倍に規制されたらどうするの?

2017年9月、FXのレバレッジの上限を25倍から10倍に引き下げる検討を金融庁がしているとの報道がありました。
いまのところ10倍に引き下げる動きはありませんが、今後レバレッジは10倍に規制される可能性があります。

1ドルが100円のとき、1,000通貨単位のポジションを保有するには、レバレッジ25倍では4,000円の証拠金、レバレッジ10倍では10,000円の証拠金が必要になります。
レバレッジが10倍に規制された場合、現在の注文を維持するには多額の資金を追加投入する必要があります。
資金を追加投入できないときは、注文を変更してトラップ幅を広くする必要があります。
いずれの場合でも、資金効率はかなり悪くなってしまいます。

【トラリピ】レバレッジが10倍になったときの必要資金>24,058,670円
https://utasen.com/archives/10683750.html

レバレッジが25倍であろうが10倍であろうが、FXでの資産運用には決して小さくはないリスクがあります。
ハイリスク・ローリターンになってしまった投資を続けるのは難しいので、レバレッジが10倍に規制された場合、トラリピでの資産運用は終了する予定です。

トラリピで資産を運用すると確実に儲かるの?

トラリピは元本が保証されたサービスではないので、確実に儲かるとはいえません。
リスクの大小はどのような設定をしているかによって変わりますが、どのような設定をしてもリスクはゼロにはなりません。

ただ、生き残ることさえできれば、実現益を積み重ねることにより、いつかは元本を回収することが期待できます。
実現益が元本と同額になったとき、投入した元本をすべて出金しても、運用開始時と同じリスクで運用を続けることができます。
元本が回収できれば、そこから先は利益のみが生み出されることになります。

ただし、私自身に限っていえば、元本を回収できるほどの実現益を積み重ねることはできないと思っています。
なぜなら、私が実現益を出金するようになるのは定年退職してからであり、その後30年も40年も生きる可能性は極めて低いからです。
死ぬまでの間にロスカットさえされなければ良いと考えています。

どうして年利20%、30%を狙わないの?

設定レンジ幅とトラップ幅を狭くすると、トラリピで年利20%、30%を狙うこともできます。
年利20%、30%を狙った運用をしている方のブログもよく見かけます。
ただ、このような攻めた運用をするには、適切なタイミングで損切りをしたり、設定を変更したりする相場観が必要です。

相場観がないので、年利20%、30%を狙うような攻めた運用はしません。

どうなると資金大きく減らすことになるの?

トラリピは常に含み損を抱える運用手法ですが、主要国同士の通貨ペアはレンジ相場になっていることが期待できるので、含み損が無限に増え続けるとは考えにくく、一定の範囲内で増減すると考えられます。

ただ、想定を超える値動きがあり、証拠金維持率が100%を下回るとロスカットが執行されます。
ロスカットが執行されると、保有ポジションがすべて自動的に決済されるので必要証拠金のみが残る状態になります。
相場の急変で値が飛ぶと、追証(損失を必要証拠金だけでは賄えず、追加入金する義務が生じること)が発生する可能性もあります。

また、暴落(高騰)が起こると、必要資金や含み損は指数関数的に大きくなります。

【トラリピ】必要資金の増えかたをグラフで確認してみました
https://utasen.com/archives/12764161.html

急激に含み損が大きくなる状態はメンタル的にとても辛く、耐え切れずに損切りをしたという話をブログでよく見かけます。
この状態で損切りをすると、資金を大きく減らすことになります。

どのような形で注文を出して運用しているの?

  1. 長期の値動きをチャートで確認し、注文を出すレンジを決める。
  2. 直近の大相場であるリーマンショック時、コロナショック時に必要だった資金を表計算ソフトで確認する。
  3. 上半分は売り、下半分は買いで注文を出す(ハーフ&ハーフ)。
  4. 必要資金が増えてきたときには、想像し得る最悪の条件で試算を行い、注文の一部を取り消す。
  5. レンジアウトしそうになったときには、再試算を行い、可能な限り注文を追加する。
といった形で注文を出して運用しています。

トラリピはロスカットという崖に向かって行きつ戻りつを繰り返すチキンレースです。
無限の資金があるのならば、ロスカットされることは絶対にありません。
しかし、無限の資金を持っている人はいないので、ロスカットしないであろう必要資金を想像して、このチキンレースに臨むことになります。

必要資金は相場の動きによって大きくなったり小さくなったりします。
最大の必要資金をあらかじめ知ることはできないので、リーマンショック時の必要資金=運用資金と仮定しています。
ただ、これではリーマンショック時を超える値動きがあるとロスカットされてしまうので、運用資金に加え、充分な余裕資金を用意する必要があります。

2022年6月の時点では、リーマンショック時の必要資金が1,800万円だった注文を、2,360万円の預託証拠金で運用していました。
560万円程度の余裕資金がある状態で運用していたことになります。

2022年は円安米ドル高の相場となったため、いろいろ試算をしたところ560万円程度の余裕資金があっても今後の相場の動きによってはロスカットされる可能性があることが分かりました。
かなり厳しい条件で試算してはいるものの、これは余裕資金が足りなかったことを意味します。

現在は、リーマンショック時の必要資金が2,200万円だった注文を、3,750万円の預託証拠金で運用しています(2023年10月29日現在)。
これは、リーマンショック時と同程度の値動きがあっても1,550万円程度の余裕資金があることを意味します(戦略の変更により今後減らさなければならないNZドル/米ドルのポジションがあること、ユーロ/円のレンジアウト対応をしていることを考慮すると、実際の現在の余裕資金は1,550万円を下回っています)。

実のところ、生きている間には必要資金が2,200万円を超えることはないのではないかと思っています。
しかし、厳しい条件で試算したときにロスカットされてしまうような注文を出していると、値動きが大きくなったときに安心して眠れません。

これまでは資金効率だの利率だの複利だのといったものを意識することが少しあったのですが、資金効率という考えかたも、利率という考えかたも、複利という考えかたも完全に捨てることにしました。
試算の結果、ロスカットしない見通しが立つか否かのみが重要。
必要資金が大きく増えそうなときには、再試算の結果に基づいて注文を取り消したり、復活させたり、損切りしたりして耐えたいと思っています。

これから合計損益が大きく改善することもあると思うのですが、必要資金が大きくなったときの辛さを忘れずに、無理な注文の追加は避けたいと思っています。

基本的な運用方針は、
欲張らない。焦らない。のんびりまったり。
です。

どうして8通貨ペアで運用しているの?

トラリピによる資産運用で実績のある方のブログを拝見すると、戦略は人それぞれです。
単独の通貨ペアの運用で実績を上げている人、複数の通貨ペアの運用で実績を上げている人。
マイナススワップの通貨ペアは運用しない人、マイナススワップの通貨ペアも運用する人(スワップは通貨間の金利差によって生じるもので、マイナススワップのポジションを保有した場合、毎日利息を支払う必要があります)。

私は、可能な限り多くの通貨ペアを運用してリスクを分散したいと考えています。
クロス円の通貨ペアである豪ドル/円と加ドル/円は似たような動きをすることが予想されますが、それでも一方の通貨ペアはレンジ端に達したのに、もう一方の通貨ペアはレンジ端まで余裕があるといった違った動きをします。
豪ドル/NZドルは円も米ドルも含まれていないので、独自の動きをすることが期待できます。
レンジ相場になってさえいれば、運用する通貨ペアは可能な限り増やしたいと思っています。

運用資金を約1/3に抑えられるハーフ&ハーフ(想定レンジを半分に分け、上のレンジでは売り、下のレンジでは買いの注文をする手法)で注文をすると、どちらかのレンジでは必ずマイナススワップで運用することになります。
スワップは主に金利差によって日々変わるものなので、プラススワップだったものがマイナススワップに転じるということも起こります。
マイナススワップは、トラリピで資産を運用するうえで避けられない必要経費であると考えています。

【トラリピ】避けられない経費>マイナススワップ、広いスプレッド
https://utasen.com/archives/5096255.html

主要国同士の通貨ペアはレンジ相場になることが期待できますが、ある主要国に想像を絶するような国難が起ることは絶対にないとはいえません。
その意味でも多くの通貨ペアを運用することでリスクを分散したいと考えています。

なぜバックテストをしないの?

いくらバックテストを重ねても、明日のこと、1年後のことは分からないので、基本的にバックテストはしていません。

資金効率を高めるならば、バックテストを重ねて運用する通貨ペアを厳選したり、価格帯によってトラップ幅を変えたりする必要があります。
しかし、私は資金効率を高めることを望みません。

バックテストの結果にはあまり興味がなく、試算の結果ロスカットしない見通しが立つか否かを重視しています。

なぜ手動でトラリピ的売買をしないの?

マネースクエアのスプレッド(買値と売値の差=FX会社の利益)はかなり広めです。
スプレッドの狭いFX会社でトラリピ的売買を手動ですれば、より多くの利益を得ることができます。

コロナショックで相場が荒れた2020年3月9日。
仕事を終えて家に帰ると、約定通知専用のメールボックスがこんなことになっていました。
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353件もの注文を手動で処理するのは無理です。
大きく相場が動くときこそがトラリピの稼ぎ時なのに、手動で処理をしていたら、この大チャンスを逃してしまいます。

サービスの提供を受けるには相応の対価を支払う必要があるので、マネースクエアのスプレッドの広さは許容できるものだと思っています。
そもそも、0.0005NZドル幅という細かさで注文を出している通貨ペアもあるので、トラリピを利用しないと運用自体ができません。

もし多額の現金が急に必要になったら?

現在、銀行口座の残高は600万円(普通預金:400万円+一般財形:200万円)なので、大抵のことはこの現金で対応できるのではないかと思っています。
もしそれ以上の現金が必要になった場合は、運用資金の再試算をして注文を減らし、FX口座から出金することになります。

含み損が多い状態のときは、注文を減らすだけでは足りず、一部のポジションを決済して損失を確定した上でFX口座から出金することになります。

運用資金の再試算をきっちりした上で出金しないと、その後の運用でロスカットされてしまう可能性が高まります。

4年の運用を振り返って

現在、大きな含み損を抱えている、大きな合計損となっている、大きなスワップ支払いが続くという三重苦の運用となっています。

ロスカットされないと思われる預託証拠金で運用すれば実現益を得続けることが期待できるという、基本の部分に黄色信号が灯っています。
2023年の実現損益は9月末の時点で-37,374円なので、今年は実現益を得るどころかスワップ支払いによる実現損が生じそうです。
スワップ支払いは、相場観を持たずにハーフ&ハーフで注文を出したときには避けられない必要経費であるという考えはいまでも変わっていませんが、ここまでマイナススワップの影響が大きくなるタイミングがあるというのは運用当初には想像できないことでした。
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【トラリピ】地獄の釜の蓋は開いたばかり
https://utasen.com/archives/231002.html

現在の有効証拠金(全決済したときに出金できる金額)は27,819,475円、納税額累計は938,492円、入金額は3,300万円なので、いま全決済すると6,119,017円の損失が確定して運用を終了することになります。
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4年運用して、利益が出るどころか、損失が出ているといえます。
2023年9月末には1,000万円を超える含み損を抱え、合計損は600万円を超えました。
含み損、合計損の最大金額は今後更新される可能性が高いです。
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でも、それがトラリピ。
死ぬまでの間にロスカットされないことを唯一の目標としているので、その意味では成功しているといえます。

トラリピで資産を運用すると、含み損は大きくなったり小さくなったりします。
いまは含み損が大きくなるタイミングなので合計損益がマイナスになっても仕方がありません。
ロスカットされることなく運用を続けることができれば、いずれ合計損益はプラスになることが期待できます。

ただ、現在の運用成績がここまで悪化しているのは、クロス円の通貨ペアの割合が多いことに起因しているので、その点は反省しています。

【トラリピ】必要資金の観点で考える通貨ペアのリバランス(2023年8月15日版)
https://utasen.com/archives/230815.html

クロス円の通貨ペアの割合が多いので、日本と欧米・オセアニアの金利差が大きい状態が続いている影響をモロに受けてしまいました。
いずれNZD/JPYとEUR/JPYの運用を終了して、運用通貨ペアのリバランスを行う予定です。

相場観がない者が投資を行う場合、若いころからS&P500などを毎月定額でコツコツ買うインデックス投資が有効だとされています。
それは、世界経済は今後も成長し続けることが期待できるからです。
毎月定額でコツコツ買うと、安いときにはたくさん買う、高いときには少しだけ買うことになり、20年、30年といった長い期間続けると、大きなリスクを負うことなく大きな資産を築けることが期待できます。

50代になったら投資をすべきではないとされています。
それは、蓄えたお金を使わなければならないフェーズが近づいていて、お金を使うタイミングと、暴落のタイミングが重なる可能性があり、大きく元本割れしてしまう恐れがあるからです。

FXは投資ではなく投機だとされています。
それは、FX参加者の9割が生き残れないという現実があるからです。
FXは競輪や競馬と同じゼロサムゲームです。
FX会社にスプレッドという寺銭を払い、1割の勝者が9割の敗者の資産を奪うゲームだともいえます。
その意味では、FXは投機ではなく博打です。

2022年の円安・米ドル高の大相場では、トラリピのアクティブユーザーが大きく減りました。

【トラリピ】第7回トラリピ・マスターズ>227位
https://utasen.com/archives/220829.html

FXで資産を運用することに不安を感じ、ロスカットされる前に自ら撤退した人もいたでしょう。
ロスカットされて、強制的に退場させられた人もいたでしょう。
FXの世界で生き残るのは容易なことではありません。

それでも、50代なのにトラリピで資産を運用することにしたのは、大きな利益は狙わず、コツコツ小さな利益を得続けることを狙うという仕組みがとても気に入ったからです。

資産を取り崩して生活するフェーズに入った場合、死ぬまでに資産がゼロにならないよう、計画的に取り崩す必要があります。
あらかじめ自分の死期が分かる人はいないので、ビクビクしながら資産を取り崩していくことになります。
これは死期という見えない崖に向かって走り続けるチキンレースです。
読みを誤ると、死期を迎える前に資産がゼロになったり、したいことを我慢して大きな資産を残したまま死期を迎えたりすることになります。

資産の取り崩しと、トラリピでの資産運用は、どちらもチキンレースではあっても同列に並べるべきものではありませんが、私はロスカットという崖に向かって行きつ戻りつを繰り返すトラリピを選びました。

このブログをご覧いただくと分かるように、この4年で私はいろいろな失敗をしています。
これからもいろいろな失敗をするでしょう。
参加者の9割が退場するFXの世界で生き残れるかどうかは分かりません。
相場観を持たずにトラリピで資産運用して実現益を得続けるという夢は幻だったのかも知れません。

それでもトラリピでの資産運用はとても楽しく、これまでの4年の間、ワクワクしながら続けることができました。
いまは苦戦していますが、可能であれば死ぬまで続けたいと思っています。

しかし、運用実績がここまで悪化している現状を踏まえると、定年退職による労働収入減少のすべてをトラリピでの資産運用に担わせるのは難しそうです。

これまで、定年退職後の生活費は
  • 労働による収入+トラリピによる実現益
と考えていましたが、
  • 労働による収入+トラリピによる実現益+貯蓄の取り崩し
と考えたほうが良いのかも知れません。

【トラリピ】相場観を持たずにトラリピで資産運用をすることはできない、のか?
https://utasen.com/archives/230918.html

クロス円の通貨ペアの割合が多いという問題点を解消できたとしても、相場の動きによっては実現損益があまり得られない、あるいは実現損益がマイナスになってしまう年があることが見えてきました。
今後、多くの実現益を得られる年があったとしても、そのすべてを1年で使い切ってしまうのは危険です。
得られた実現益の一部は貯蓄に回し、相場の動きが小さいときには貯蓄を取り崩していくことも考えなければならないのかも知れません。

定年退職まで、あと1年10か月。
あと約2年の運用で、預託証拠金を増やしているのか、減らしているのか、いまは見通せない状況です。
ハッピーな口座状況で定年退職を迎えられるといいのですが、それを知っているのは相場の神様だけです。

終わりに

このブログは、基本的にはトラリピでの資産運用を勧める内容になっています。

しかし、友人にはトラリピでの資産運用を勧めていません。
それは、トラリピでの資産運用にはリスクがあり、そのリスクを許容できるかどうかは、自分で調べ、自分で考え、自分で判断する必要があるからです。
トラリピでの資産運用は、自分で調べ、自分で考え、自分で判断した方のみがすべきものだと思っています。
繰り返しになりますが、トラリピでの資産運用には決して小さくはないリスクがあります。

※この情報は2023年10月29日現在のものです。