外国為替市場では、そのときの時価で通貨の交換が行われます。
単に通貨を交換しているだけなので、誰かが500円得をすれば、誰かが500円損をします。
その意味では、ゼロサムゲームです。
ポジションを持つと、その瞬間スプレッド分の損失が発生します。
スプレッドを考慮すれば、マイナスゲームだともいえます。
通貨間には金利差があるので、日をまたいでポジションを保有すると、1日分の金利の受け取り、または支払いがあります。
スワップは金利差をそのまま反映したものではないので、売りのスワップと買いのスワップの差はゼロ、またはマイナスとなります。
その分もゲーム全体から差し引かれます(2つのFX会社を利用したり、キャンペーンを利用したりすると、スワップの差をプラスにできることもありますが、これはレアなケースなので除外します)。
素人がFXで利益を出そうだなんて、改めて考えてみるまでもなく無謀です。
トラリピも例外ではなく、X(旧Twitter)ではトラリピ撤退ポストが定期的に流れてきます。
相場観を持たずにトラリピで資産運用をすることが誰にでもできることであれば、ここまで多くのトラリピ撤退ポストが流れてくることはないでしょう。
8月に続き、9月も厳しい運用が続いています。
9月は、スワップ支払いによる過去最大の実現損が生じることを覚悟しています。
トラリピに対する思いは、以下の記事を書いた時点から変わっていません。
【トラリピ】厳しい運用が続いています
ただ、最近では、相場観を持たずにトラリピで資産運用をすることはできないのではないか? できるとしても規模を縮小すべきなのではないか? という思いが強くなってきました。
含み損が大きくなるタイミングがあることは運用当初から分かっていたことなので問題ありません。
しかし、ここまでスワップ支払い負担が大きくなるタイミングがあることは運用当初にはイメージできていませんでした。
それでも、マイナススワップは相場観を持たずにトラリピで資産を運用するうえで避けられない経費であるという考えに、いまも変わりはありません。
相場観を持たずにトラリピで資産運用をすることができるかどうかは検証中の課題なので、これまでに得た実現益をスワップ支払いですべて吐き出すことも覚悟しています。
現在の注文はクロス円の通貨ペアが多いという問題があり、その点では完全に失敗しています。
トラリピでの資産運用を続けるとしても、いずれEUR/JPYとNZD/JPYの運用を終了して運用通貨ペアのリバランスを行いたいと思っています。
【トラリピ】必要資金の観点で考える通貨ペアのリバランス(2023年8月15日版)
いまは
- 相場の動きが極めて小さい
- 保有ポジションが多い
- ポジションあたりのマイナススワップが大きい
という三重苦の状態で、ジリジリと預託証拠金を減らす運用となっています。
預託証拠金を増やすどころか、減らす運用が続いています。
しかし、トラリピでの資産運用を終了するとしても、注文を変更するとしても、いまはそのタイミングではありません。
今後の目標は
- とりあえず税金を含めた合計損益をゼロにする
- NZD/JPYのポジションがなくなった時点でNZD/JPYの運用を終了する(注文取消し)
- EUR/JPYのポジションがある程度減った時点でEUR/JPYの運用を終了する(損切り)
です(NZD/JPYは数年待てば設定レンジの中央まで値が下がるタイミングがあるのではないか、EUR/JPYはもう設定レンジの中央まで値が下がるタイミングがないのではないか、と思っているため)。
定年退職後の生活費は
- 労働による収入+トラリピによる実現益
と考えていましたが、
- 労働による収入+トラリピによる実現益+貯蓄の取り崩し
と考えたほうが良いのではないかと思い始めました。
この程度の資産規模では、定年退職による労働収入減少のすべてをトラリピでの資産運用に担わせるのは危険な気がしてきました。
相場観を持たずにトラリピで資産運用をすることは本当にできるのかどうか、引き続き身をもって検証していきます。
この約4年の運用で含み損に耐える訓練ができたせいか、突如あらわれたスワップ支払いの大きな負担が実はあまり辛くありません。
スワップ支払いは、含み損と異なり実現損なのですが、それでも辛さをほとんど感じません。
スワップ支払いは、含み損と異なり実現損なのですが、それでも辛さをほとんど感じません。
良いときがあれば、悪いときもあるのが相場。
耐えることに慣れ過ぎて、対処すべき大きな変化があったときに見逃さないように、その点だけは注意したいと思っています。