必要資金が多くなるような相場になったときには、まずは新規注文取り消し、そして損切り、最終手段として両建て、といった対応が必要になります。
「このままでも大丈夫」という見通しが立っているのであれば放置できますが、私のような小心者はいろいろ試算をして、わちゃわちゃ設定をいじることになります。

証拠金維持率が著しく低下したときには、もう損切りだけではしのげません。
入金ができないのであれば両建てしか選択肢は残っていません。
しかし、ここまできてしまうとおそらく両建てをしても助かりません。
両建てに一縷の望みを託して神に祈ることになります。
もし助かったとしても、大きな損失が発生してしまうのは避けられません。

両建てに関する説明は、鈴さんのブログが分かりやすかったです。

【最終手段】トラリピの両建て対応のやり方(ワイドレンジ戦略&自分年金)

両建てに対する理解を深めるために、マネースクエア「リスクシミュレーション」を使って、自分でも手を動かして確認してみました。

USD/JPY(売)5万通貨を140円で取得(運用資金:100万円)

まずは、USD/JPY(売)のポジションを140円で持ちます。

USD/JPY(ASK)が140円のとき
証拠金維持率:357%、評価損益:0円、必要証拠金:280,000円、必要資金:280,000円

USD/JPYの価格がスプレッド分下がると評価損益は0円になります。

USD/JPY(ASK)が150円のとき
証拠金維持率:166%、評価損益:-500,000円、必要証拠金:300,000円、必要資金:800,000円

USD/JPY(ASK)が150円になると、証拠金維持率は166%となり、ロスカット間近の状態になります。

USD/JPY(買)5万通貨を150円で取得
証拠金維持率:165%、評価損益:-503,500円、必要証拠金:300,000円、必要資金:800,500円

USD/JPY(売)ポジションと同数のUSD/JPY(買)ポジションを持つと、評価損益は固定されます。
スプレッド分評価損益のマイナスは増えますが、誤差の範囲内です。

USD/JPY(ASK)が200円のとき
証拠金維持率:124%、評価損益:-503,500円、必要証拠金:400,000円、必要資金:903,500円

USD/JPY(ASK)が200円になっても、評価損益は固定されていますが、証拠金維持率は低下します。
それは、価格が上がって必要証拠金が増えるからです。

USD/JPY(ASK)が145円のとき
証拠金維持率:171%、評価損益:-503,500円、必要証拠金:290,000円、必要資金:793,500円

USD/JPY(ASK)が145円になっても、引き続き評価損益は固定されていますが、証拠金維持率は上昇します。
価格が下がって必要証拠金は減ります。

USD/JPY(ASK)が135円のとき
証拠金維持率:183%、評価損益:-503,500円、必要証拠金:270,000円、必要資金:773,500円

USD/JPY(ASK)が135円になると、評価損益は固定されたまま、必要証拠金はさらに減ります。

両建てしても価格が上がると必要証拠金が増えて証拠金維持率が下がるというのは、手を動かしてみて分かった気づきでした(考えてみると当たり前のことではあるのですが)。
証拠金維持率が下がるといっても軽微なものですが、余力があまりにない状況だと価格が上がったことによってロスカットされることもありそうです。

両建てにすると、合計のスワップは必ずマイナスになるのも痛いところです。
長期にわたって両建てが必要になると、毎日のスワップの支払いでロスカットされることもありそうです。

両建てにしたポジションはいずれ決済しなければなりませんが、どのタイミングで決済するかはとても悩ましいものになります。
取得価格を上回る金額で決済し、その後価格が下がり続けるのが望ましいのですが、まだ価格が上がる可能性がある段階で決済してしまうとロスカットされる恐れがあります。
価格が注文レンジに戻ってから決済すると、価格が下がれば下がるほど確定する損失は大きくなります。
両建てしては解除、両建てしては解除を繰り返して、そのうちロスカットされることが予想されます。

いずれにせよ、両建ては本当に最後の手段。
「いざとなったら両建てでしのげばいいや」とは思わず、相場の動きに合わせて、しっかり資金管理をしていきたいと思っています。