為替差益を得ようとするとき、レバレッジをかけず、単純に通貨を買って売るという方法もあります。

1ドルが100円のときに10,000通貨買うと購入金額は100万円。
1ドルが101円になったときに売ると1万円の利益が得られます。
主要国同士の通貨ペアは基本的にレンジを形成するので、いつかは101円になることが期待できますが、それがいつなのかは分かりません。
場合によっては101円になるまで年単位の時間が必要になる可能性もあります。
101円になるまで100万円の資金が拘束されて、101円になっても得られる利益は1万円。
かなり資金効率の悪い投資手法となってしまいます。

そこで為替の動きを利益に変える投資では、主にレバレッジをかけた証拠金取引で運用が行われます。

レバレッジ25倍の場合、1ドルが100円のときに10,000通貨のポジションを持つのに必要な必要証拠金は4万円です。
証拠金維持率が100%でロスカットされる場合、1ドルが75円になると、3万円(必要証拠金:75円×10,000通貨×0.04)+25万円(含み損:25円×10,000通貨)=28万円を超える預託証拠金が必要です。

1ドルが75円を下回ることはないという読みがある場合は、本来100万円の資金が必要な運用を30万円程度で行えることになります。

1ドルが100円のときに35,000通貨のポジションを持ち、1ドルが75円になると、10.5万円(必要証拠金:75円×35,000通貨×0.04)+87.5万円(含み損:25円×35,000通貨)=98万円を超える預託証拠金が必要です。
100万円の資金で35,000通貨のポジションを持つ運用ができる計算になります。
ただ、100万円の資金で運用した場合、1ドルが74円になると、103,600円(必要証拠金:74円×35,000通貨×0.04)+910,000円(含み損:26円×35,000通貨)=1,013,600円となりロスカットされます(証拠金維持率:87%)。

資金100万円で運用し、1ドルが74円になったとき、レバレッジをかけない運用では26万円の損失が生じるのに対し、レバレッジをかけた運用では90万円程度の損失が生じます。
読みが外れたときには、資金のほとんどを失う。
ここが証拠金取引の怖いところです。
暴落時に大きく値が飛ぶと、追証が払えず破産する危険もあります。

レバレッジをかけた投資は危険であるとよく言われます。
しかし、危険なのはレバレッジをかけた投資そのものではなく、レバレッジをかけるとどういうことが起こるのかを理解せずに投資することではないでしょうか。
レバレッジをかけようがかけまいが、それがどういうものなのかを理解せずに投資するのは危険です。

最大でどれくらいの資金が必要になる可能性があるのかを把握し、それ以上の余裕をもった資金で運用することが証拠金取引では重要です。