ハーフ&ハーフで必要資金を抑えているので、マイナススワップのレンジでも運用を続ける必要があります。
今月(10月1日~11日)のスワップは、以下のようになっていました。
211011-1
NZD/USDはスワップの受け払いが逆転しています。
スワップは主に金利差で決まり、ハーフ&ハーフで運用していなくてもスワップがマイナスになる可能性があります。

運用を終了したUSD/JPYとAUD/USDは、それほど保有ポジションが多い状態ではありませんでしたが、今年の運用状況を確認したところ、とても厳しい状態になっていました。

USD/JPYは毎日144円の赤字、AUD/USDは毎日60円の黒字。

【トラリピ】USD/JPYの運用を終了しました

【トラリピ】AUD/USDの運用を終了しました

かろうじて黒字になっているAUD/USDも、これから保有ポジションが増えると赤字に転落することが予想されます。

なるべく多くの通貨ペアを同時に運用して必要資金が大きくなるタイミングをずらしたい。
けれど、利益率が悪い通貨ペアを運用するのはつらい。
レンジ相場になっていることが期待できる通貨ペアであっても、利益率が悪いとスワップ負けしてしまう可能性がある。
これがUSD/JPYとAUD/USDの運用を終了した理由です。

NZD/USDは400本の売り注文を出しているので、スワップが-25円の場合、レンジ端では毎日40万通貨×25円=1000円のスワップを支払う必要があります。
スワップが-50円ならば2000円。
毎日2000円、1か月で6万円……。
想像するだけでクラクラします。
NZD/USDの実現損益期待値は約4万円/月なので、1か月レンジ端で停滞すると約2万円の赤字になります。

レンジ端に長期間留まるということは考えにくいものの、年単位の長い期間をかけて、徐々にレンジ端に向かう通貨ペアがあらわれることはほぼ確実に起こります。

【トラリピ】どれだけの期間、大きな含み損に耐え続ける必要があったのか

必要証拠金と含み損が徐々に増えていくのに加え、毎日のマイナススワップもどんどん大きくなっていく。
そういった状況に耐えられるのかどうか。

必要証拠金と含み損は、設定レンジの中央に向かえば徐々に小さくなっていきます。
しかし、マイナススワップは毎日確定し、支払い続けなければならないので、それまでに得た売買益で賄わなければなりません。
それまでに得た売買益で賄い切れるのかどうか。

これまではマイナススワップを軽視していたところがあるので、これからはマイナススワップにも注視していきたいと思っています。

前回の「改めてスワップと向き合う」から大きく方針を変更しました。

【トラリピ】改めてスワップと向き合う
https://utasen.com/archives/11232313.html

FXは投資ではなく投機であるとよく言われます。
主要国同士の通貨ペアはレンジ相場になっていることが期待できますが、長期的にはレンジが移動する、レンジ相場ではなくなるといったことが起こる可能性があります。
10年後、20年後の相場を読むことは誰にもできないので、将来、大きな損失を抱える可能性があります。
FXは投機だと言われても否定はできません。

実は先週末、全決済をして戦略をイチから練り直すか、FX自体から撤退するか悩みました。
いま全決済すると、2年の運用で約200万円の利益が確定します。

しかし、「主要国同士の通貨ペアはレンジ相場になっていることが期待できる」という安心感があるFXをやめる気にはなれず、トラリピでの資産運用を続けることにしました。

何に安心感を覚えるかは、人それぞれです。
長期的には上昇し続けることが期待できる株価指数に安心感を覚える人もいるでしょう。
しかし、私は株価指数に大きな投資をする気にはなれません。

長期的な上昇を狙う投資は50代には難しい
https://utasen.com/archives/8776737.html

私は、資産運用の方法として、ロスカットさえされなければ良いFXにのみ安心感を覚えます。
ロスカットされずに生き残り続けるというのは簡単なことではないものの、しっかり資金管理をして生き残り続けたい。
たとえ亡くなるときに元本割れしていたとしても、それは許容します。
墓場にお金は持って行けません。

利益率が良く、かつスワップがプラスの通貨ペアを厳選して運用しようかとも思ったのですが、良いときもあれば悪いときもあるのが相場。
マイナススワップを甘んじて受け入れ、可能な限り多くの通貨ペアを同時に運用するという現在のスタイルを維持することにしました。

一回りして、元の場所に戻ってきてしまった感じです。

いまトラリピが流行っているのは、ここ5年ほどトラリピで利益を上げやすい相場が続いているからです。
これから先、トラリピで利益を上げにくい相場になる可能性もあります。
事実、最近はボラティリティが小さく利益が上げにくい状態になっています。
これからさらにボラティリティが小さくなるとも言われています。
いまは利益が上げにくいだけなのでいいとしても、一方的に設定レンジの中央から離れていき、しかもボラティリティが小さいといったことが起こると、かなりつらい状態になります(一方的に設定レンジの中央から離れていくような状況では、ボラティリティが大きくなることが期待できますが)。

5年後、10年後、20年後、「あのとき全決済して撤退すれば良かった!」ということにならないように、資金管理をしっかりしてトラリピでの資産運用を続けたいと思っています。